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    朝日新聞「専門学校」返上、再生へ

    「専修学校」返上、再生へ

    日本語教育競争が激化

     神戸で外国人に日本語を教えてきた草分け的な存在だった神戸YWCA学院専門学校(神戸市中央区二宮町1丁目)が今夏、専修学校の認可の返上を県に届け出て認められた。ピーク時の92年には120人の外国人留学生を受け入れていたが、少子化のなかで大学や同業者との競争が激化した。生き残りのため留学生の受け入れをやめ、地域で暮らす外国人向けに特化した日本語教室に生まれ変わろうとしている。(浅野直樹)

    留学生受け入れ中止/地域の外国人向け特化

     1955年4月に神戸基督教女子青年会(神戸YWCA)が設けた日本語教室がルーツ。88年に県から専修学校の認可を受けた。日本で学びたいと望む外国人のために同校が留学ビザを申請し、留学生を受け入れてきた。日本人を対象に日本語教師養成コースも設けてきた。
     留学生を受け入れている大学などでつくる兵庫地域留学生交流推進会議のまとめによると、県内の留学生は98年度の1619人から07年度は3640人まで増加。しかし、07年度に神戸YWCA学院専門学校に在籍した生徒はわずか26人で、経営環境は厳しくなるばかりだったという。
     少子化で大学が留学生を直接受け入れるようになり、それまで専修学校で日本語を学んだうえで大学進学していた学生層が大きく減った。また、日本語教育機関が多様化。日本語教育振興協会のまとめによると、98年には県内に8校しかなかった加盟団体が07年には24校にまで増加。同業者間の競争も激化した。
     一方でここ数年、各地の大学で中国人留学生が籍を置いたまま授業に出ず、行方不明になる事例が相次ぎ社会問題化した。国内で不法就労しているとみられたため、入国管理局から在校生の掌握を強く求められたことも同校にとっては負担になったという。議論の結果、留学生の受け入れをやめることにした。
     今年度から校名から「専修学校」を取り除き、「神戸YWCA学院」として神戸で暮らす外国人の主婦らを対象にした日本語教育施設として新たなスタートを切った。
     いま26人いる受講者のうちの1人で、中国人の施紅(シーコウ)さん(35)=神戸市中央区=は、4年前に中国人の夫の仕事の都合で来日。当初は言葉がわからず、銀行やスーパーに1人で行けなかった。「生活のため」と一念発起し、4月から週5日学院に通う。一日4コマの授業を受け、今では小学2年生の長男が学校でもらってくるプリントも読めるようになった。
     施さんは「年を取ると日本語の勉強は難しいけれど、ここで勉強して、日本で生活できるようになった。息子の日本語の上達はもっと早く、あと半年で追い抜かれそうだけど」と笑顔で話す。
     また、日本語ができず学校の授業について行けない子どもの学習支援のため、今月から独自の勉強会を設け、教材や指導方法の研究を始める。成果は県や日本語教育にかかわるボランティア団体に提供し、連携したいという。10月からは日本語を一通り学び終えた外国人向けに、ホームヘルパー2級の養成講座を開く。
     川辺比呂子学院長は「今後は社会的弱者や少数者を支援するというYWCAの原点に立ち返り、地域に根ざした日本語教室として生まれ変わりたい」と話している。

    (写真)スピーカーから流れる日本語会話を熱心に聞き取ろうとする外国人の学生ら=神戸市中央区の神戸YWCA学院


    YWCA(ワイ・ダブリュー・シー・エー/Young Women's Christian Association)は、キリスト教を基盤に、世界中の女性が言語や文化の壁を越えて力を合わせ、女性の社会参画を進め、人権や健康や環境が守られる平和な世界を実現する国際NGOです。
    1855年英国で始まり、今では日本を含む125あまりの国と地域で、約2,500万人の女性たちが活動しています。