「上筒井から」Vol.12(March 2002)

「被災地しごと開発事業」が今年3月末で打ち切り

被災地しごと開発事業就労者


 被災地しごと開発事業(しごと)とは、5年前県庁へ被災者が震災後に「家・仕事・金」の困窮状況を訴える為に1週間泊りがけた行動の結果、県側(当事の清原・秦部長)が「仕事」について回答したのがこの(しごと)【期限5年】だった。就労条件は全・半壊罹災40〜65才、最高月収10日就労5万円、この(しごと)以外はパート・アルバイト禁止というものでした。

 ところが、年月が経つにつれ、生活は苦しくなり、おまけに年を重ねて、やり直したいと云う意欲もなければ、その場もない、そして、世間は不況の波が押し寄せ、リストラの嵐が吹いてくる。

 いつのまにか事業目的も仮設住宅での引き篭り対策・生き甲斐作り・就労意欲の喚起になり、5年間で目的が達成されたので予定通り打ち切るというのが県の見解です。

 しかし事業目的は本当に達成されたか?仮設住宅は消えるも移り住んだ被災者は消えたか?復興住宅の引き篭りは?生き甲斐作りは?就労意欲は?・・・・解決したのか?

 いいえ埋もれてはいるが被災地の厳しい生活環境は日々悪化、孤独死・自殺者・夜逃げ等が絶えません。就労者の1,400人はそんな中必死で耐えてきました。

 昨年11月実施の就労者生活実態調査の結果9割が4月から生活できないと答えています。他へ求職も全国不況、この被災地では更に求職は困難な状況(中高年齢有効求人倍率1%)にあり、失業対策を早急に求めなくてはなりません。その状況の中、就労者1,400人の新たな失業者を県は自らの手で生み出そうとしているのです。

 それをくいとめようと力を持たない私たち就労者自身が一昨年11月より1年余りをかけて要望書署名集め・就労者の話し合い・実態調査の実施を行なってきました。あまりにも力を持ち合わせない集まりなので、まるで蟷螂の斧のような感じなのですが、それでも何もせずには居れず、当事者の責任・義務・権利において行なって行きます。



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